生憎の雲り空で行われた63回目の皐月賞、曇り空に轟くような、火柱の噴き出すような一騎討ちが中山の直線に展開されました。

完璧な競馬で抜け出したサクラプレジデントにソリッドの利いた切れ味で追いすがるネオユニヴァース・・・「凄い!!・・・」と言葉を失う名勝負のゆくえはデムーロ騎手のユニヴァースに軍配が上がりました。

しかし、なんという充実振りでしょう・・・4連勝、重賞3連勝でまず1冠を獲ってみせたユニヴァース・・・高いレベルの確実性に富んだキレは皐月賞馬に相応しい極上の宝刀でした。
デムーロ騎手も見事に全能力を引き出す好騎乗・・・さすがはイタリアNo1ジョッキー、経済コースピタリの徹底した戦略から直線、勝利へのVロードを導きました。
さあ、まず1冠を制して道は競馬界の頂点へ繋がっていきます・・・ダービーではこの強さに磨きがかかるはずです。


田中勝春騎手が騎手生活の集大成のような絶妙な騎乗・・・馬込みでスローながらもキッチリ折り合って、満を持して突き抜けたプレジデントでしたが、刹那忍び寄るユニヴァースの影・・・スプリングSとは見違えるほどの応戦、しかし、わずかクラシックホースの座に届きませんでした。
ヤマニンゼファーの安田記念以来GIの美酒から遠ざかる田中勝騎手・・・計り知れない悔しさがあるでしょう・・・でも気持ちを切り替え、ダービーへ臨んで欲しい、ユニヴァースとの3度目の死闘の地、府中でのリベンジを!

3着に甘んじたエイシンチャンプ・・・2頭とは3馬身以上の決定的な差をつけられてしまいました。
2歳王者として堂々した風格を漂わせているように見えましたが、自慢の勝負根性を発揮するまでには至りませんでした・・・それでも「並べば負けない」という思いはまだあるでしょうし、血統的にも不向きかと思えるダービーですが、このまま引き下がれません。

4着はラントゥザフリーズ、今回もスローでしたが、対応し好結果を生みました、さすが重賞ウィナーと言う所を見せました。
5着ホシコマンダーはほぼ最後方の位置でしたが、−12と究極の仕上げを施された効果か目覚しい脚で掲示板に入り健闘しました。


人気のユタカ騎手のサイレントディールは6着・・・中団外目から掛かる所もなくいい感じでしたが、思いのほか弾けませんでした。
それでも鞍上はダービーでの巻き返しを宣言していますし、姉トゥザヴィクトリーもキャリア事に強さを増しただけに期待感は続きます。

アンカツ騎手の手綱で期待したザッツザプレンティでしたが、歓声に煽られ掛かったのか?1コーナーではハナを切る体勢に入ったチキリテイオーに挑んでいく構え、なんとか落ち着けて先行しましたがビハインドを取り戻せぬまま8着でした。
このまま引き下がって欲しくない馬なんですが・・・府中の直線こそ能力の全開する舞台と信じたいです。

他に目に付いたのがシンガリ負けのブラックカフェ、勝負どころから一騎に押し上げる脚はまさに一流馬のそれ、あの勢いでシンガリ負けとは・・・やはりブラック自身が直線に入ってレースを投げてしまっている部分があるとしか思えません・・・しかし、長い目で見てあげたい馬です。


今年の皐月賞が終わりました・・・混戦と言われていた今回でしたが、蓋を空けてみれば2強の歴史的名勝負が展開されました。
しかもまたもサンデーサイレンス産駒、しかしここまで来るとワタクシ思うのは「日本にサンデーサイレンスがやってきて、よかった・・・」ということです。
サンデーサイレンス時代を創り続けている強く誉れ高い優駿たちの姿を見られることに競馬ファンとしての穏やかな幸せを感じます・・・というのは極論でしょうかね?


さあ東京優駿!!新装東京競馬場に必ず出撃する所存です、今日のような素晴らしい競馬になる事は必至です!

ちなみに・・・デムーロ騎手のゴール後「ポカリ」の真相は「競り負けてがっくりきていた田中勝騎手に喝を入れるためにした」と皐月賞後、ファンの集いに飛び入り出演した際に言っていたそうです。
悪気があったわけではないですよ、念のため(^^ゞ

マイラーズCは速いペースで逃げたレギュラーメンバー、その2番手から磐石の態勢を早くも築いたローエングリン、東京新聞杯では速いペースが災いして2着でしたが、今回は2番手からペースを生かした形で1分31秒1の驚異的なレコードV!凄まじい成長力を見せ付け、さあ安田記念をロックオンです!

2着はキスミーテンダー、7歳でこの勢いはたいしたものです。
テイエムオーシャンが3着、ポン駆けが利くタイプなだけに2着は欲しかったのですが、ジワッと伸びてきて不安一掃の走り、差す競馬も板について長い府中の直線が楽しみです。


中山GJは昨年の覇者セントスティーブンが逃げ、追うは大障害馬ギルデッドエージでしたが、ゴール前で常石騎手のビッグテースト、思いの丈を込めた素晴らしい脚で強襲!J・GI制覇です。

昨年はオースミコスモで牝馬クラシック、辛酸をなめた常石騎手、なんとまだ鎖骨骨折が完全に癒えていなかったそうですが、最高の結果を出したプロ根性には脱帽でした・・・ホントにおめでとうございます!

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