まだ思い出にするのは早すぎる気もしますが・・・競馬の世界のサイクルの速さは周知のとおり、今晩は思い出のゴールドアリュールと題して彼のの半生を振り返ってみようと思います・・・。

なんてN○Kの番組みたいな出だしですが。

彼と出会ったのは大井競馬場ではなく、なんと暮れの有馬記念当日の中山、ホープフルSに鞍上、ユタカ騎手で登場していました、捲りきれずにタイガーカフェに敗れたレース、このときは全く気にも留めない存在でした・・・池江厩舎のサンデーということでステイゴールドになるかな、と思ったくらい。

日本ダービー、抽選を潜り抜けて出走した彼でしたが、ワタクシの興味はモノポライザーの方でした、直線、グイッと馬群を突き放しにかかった姿を見て「おおっ?!」と思わせたアリュール、結果は僅差の5着、アリュールに一目置くようになったのはこの時からかもしれません。

そして忘れえぬ感動をくれたのが次のダートGIジャパンダートダービー・・・思い切って仕事をサボって大井へ繰り出したあの日、アリュールの強い強い姿に完全に虜になりました。
強く、そして美しい・・・直線はカクテル光線に照らされた天馬が確かにそこにいました。

ダービーGPの10馬身差圧勝を経て、迎えた大一番JCダートではリズムを狂わせ5着・・・そういえば、ワタクシが競馬界一畏敬の念を抱いているのはユタカ騎手なんですが、レース後の消極的なコメントにこの日記で珍しく毒を発したりしていました・・・それだけアリュールの力を信じていた自分がいたのだと思います。

暮れの東京大賞典も今にも雪が降りそうな金沢から斜陽の降り注ぐ大井に熱視線を送りました、この珍しいシチュエーションもまた思い出として強く残っています。
危なげなく逃げ切ったアリュールでしたが、ワタクシの中には理想として、2,3番手に控えて4角先頭から突き放すようなレースが見たいと思うようになりました。

で、それを100%体現してくれたレースがフェブラリーS、同じ舞台JCDのときとは見違えるような見事な勝利!アリュールは完璧なレールを築いて、世界最高の地ドバイに繋げました。

しかし・・・イラク戦争の勃発で回避を余儀なくされる不運・・・あの時出ていたら?ムーンバラッドは確かに強かったのですが完調なら・・・もしやと思わせただけに悔しい結果でした。

鬱憤をはらすかのようなアンタレスS、「もうキミタチとは背負ってるモノが違う!」といわんばかりの10馬身差圧勝劇。
もう国内には敵は無い、それを痛烈に決定づけるのが思い出の舞台、大井・帝王賞だったはずでしたが・・・。

まさかアリュールの最終戦となろうとは・・・信じがたい失速、病が体を蝕む悲劇に見舞われ・・・黄金の貴公子ゴールドアリュールは正式に引退が決まりました。

世界を駆ける姿が見たかった、というのが正直なところです、一昨年のクロフネもそうでしたが・・・さあこれから世界へ、という所で・・・救いはいつもの屈腱炎ではなかった事ですかね。


アリュールの引退式は9月14日の札幌競馬場・・・まだ君には引退は早すぎるよ・・・という思いは消せませんが、そのときは心を込めて「ありがとう、お疲れさまゴールドアリュール」と言えればいいな♪

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