その時、確かに大地が躍動しました、「最強」の名の下に、何より神々しい王者が翼を広げるかのように大きく四肢を広げ、踊るように体を伸縮させました。

シンボリクリスエス、有終の美・・・まるでこれまでの競馬がこの日のための予行練習であったかのような、あまりに、あまりに強すぎる9馬身差の圧勝劇・・・我々の想像を遙かに超える恐るべき強さを、神の域に達したかのようなポテンシャルの爆発を見せた漆黒の皇帝が、確かにそこにいました。
勝利を掴むために、先手必勝で打って出たユタカ騎手リンカ−ンをロックオンすると、クリスエス最強の武器、RPG砲のような砲撃が、リンカーンを木っ端微塵にしてしまいました・・・。
サラブレッドとしての最高の美を、最高の舞台で最高の形で表現して見せたクリスエス・・・月並みな言い方ですが、一ファンとして君に出会えたことを強く強く誇りに思いたいし、心から神に感謝したい気持ちで一杯です。


2着を死守したリンカーン、今年最大のギャンブルに出たユタカ騎手でしたが、クリスエスには次元の違いを見せられてしまいましたが、激しく迫るゼンノロブロイ、最後方から恐るべき脚を使ったツルマルボーイを完全に完封、来年の主役の座を高らかに告げる、準グランプリだったと思います。

3着ゼンノロブロイ、偉大な、偉大すぎる大先輩クリスエスの胸を借り、互いに切磋琢磨した日々は大きな財産になりました、最後まで意地で粘りこんだ3着・・・しかし、来年クリスエスの位置に君臨するためには更なる成長が望まれます、それでもクリスエス、強い後輩に安心して、心置きなくバトンを渡せると思います。

4着ツルマルボーイは最大限に勝負に出た最後方策・・・この舞台で自身の最大の武器を130%生かしたかのような横山典騎手の大胆な挑戦、素晴らしい脚でした。
ウインブレイズは明らかな強豪相手でも決して臆さず、自分の競馬に徹した結果の5着、健闘しました。

JCを圧勝し、チャンピオンとして堂々と臨んだ一戦でしたがタップダンスシチー、持ち味を生かせず8着・・・アクティブバイオとザッツザプレンティが掛かり合ってハナを争う展開になりましたが、佐藤哲三騎手がタップダンスのペースを守利抜く姿勢を見せた最初の4コーナーでしたが、それからは見せ場なし・・・ですが最強の座を守っていくためには展開のアドバンテージだけではない強さを示したいし、タップダンスなら示せるはずだと思います。

ザッツザプレンティは11着・・・2500m戦を前半1000mが58.5ではさすがに菊花賞馬といえどもペースがタフ過ぎました。
最初の3コーナーから掛かってしまいいわゆるロングスパートを繰り出してしまったのでは・・・こんなう馬では決してありません、来年に向けての課題として受け止め、気を取り直して春の天皇賞を目指して欲しいと思います。

クリスエス同様にラストランのアグネスデジタル・・・長い間精一杯戦い抜き、芝砂洋邦GI6冠を数えた希代のオールラウンダーを決して忘れません、9着でした。

クリスエスの圧勝でまさに大団円を迎えた2003年・・・サラブレッドの究極を見せてくれたクリスエスにとにかく、ありがとう・・・それしか言えません・・・。


さてラジオたんぱ杯2歳Sはコスモバルクが素晴らしい二枚腰を使って逃げ切りV!朝日杯のコスモサンビームに続き、またコスモ!またザグレブ!
サンデーサイレンスの有望株を従えて、地方馬バルク・・・五十嵐騎手とともに駆ける2004年が本当に楽しみです。

2着はミステックエイジ、交わすかというところから突き放されてしまいましたが、さすが素質馬、来年はこうは行きません。
3着ハイアーゲームもこれからの成長次第で逆転が見込めるはずです。

ブラックタイドはこれは楽勝、あとは末脚を炸裂させるだけ、というところから伸びません・・・期待していただけに正直ショックですが、単にギアが入らなかっただけのことと解釈して、来年に期待したいと思います。


中山大障害はなんと雪のため中止に・・・来年1月10日の開催が決まりましたが、仕上がった馬たちのことを考えると、なんとも切ない気分です・・・危険防止が第一ですから仕方ないのですが・・・。

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