イングランディーレが打った1000m通過61秒9の大逃げは長距離戦としては普通程度のものですが、この逃げは他馬の騎手心理に深々と突き刺さる絶妙なものでした・・・きっとバテるだろうと楽観視の道中から、このままでは逃げ切られる!と騎手たちに焦燥の色が蔓延したころには、もう時すでに遅し・・・横山典騎手の策略に、そして何よりそれを完全犯罪のように迅速に鮮やかに、自らのスタミナを武器に仕事を遂行して見せたイングラン、二人の世界に他の17人の騎手、17頭の精鋭たちはに文字通り飲みこまれてしまいました。

淀の地を揺るがせた、天地が引っくり返るほどの衝撃・・・これはもうスローペースが蔓延するヨーイドンの近代競馬を力でぶった切る様な、衝撃というほかない出来事です・・・7馬身の衝撃、大逃げ馬としてチューンナップに成功したイングラン。競馬界に個性派誕生を告げました!

2着は5,6番手から早めに動いたゼンノロブロイですが、少なからず距離不安のあっただけにあれ以上は早くは動けないでしょう・・・他の先行勢にも同じことが言え、この逃亡劇の完璧振りを裏付けます。
しかしロブロイ、軒並み大敗の四天王の中では唯一意地を見せました・・・7馬身という差は決して力の差ではないはずですし、距離ピタリの宝塚では自分の競馬が表現できれば・・・と力が入ります。

3着は3番手から食い込んできたシルクフェイマスイングランを取り逃がした形は悔しいのですが、頂上でもやれる手応えをつかんで、宝塚、そして秋に期待が繋がります。

4着チャクラ、6着のアマノブレイブリー展開利もあって前々でスタミナを生かした上で粘りこみました。特筆したいのは後方から追い上げた5着ナリタセンチュリー・・・四天王の2騎が展開が向かず、後方で末脚をなくしたのに・・・ノーマークでしたが、もしかしたらかなりの器かもしれませんね!

さて・・・まず10着のネオユニヴァース・・・四天王の中では一番後ろからの競馬、3コーナーで追い上げていった時はダービーの再現を期待しましたが、なんと不発・・・。
リンカーンは13着、確かに掛かり気味の競馬でユタカ騎手が手を焼いているのが伝わってきましたが・・・あまりにも伸びなさすぎです・・・今年はリンカーンの時代か思っていただけに・・・がっかりです・・・。
そしてザッツ、掛かることもなく、凄くいい感じで2周目の3コーナー、いつの間にか外に進路をとって、さあ追撃、ロングスパート炸裂だ!と身構えたのですが、なんとそこから後退する悪夢のような光景・・・こちらもがっかり16着・・・しかしユニヴァースといい、リンカーンといいザッツといい、「故障でも・・・?」と心配してしまうような内容でした。

春の盾を勝ち取ったイングラン。次はマークも厳しくなるはずですが、このスタミナを生かせれば阪神2200でも?と思ってしまいます。それを許さないとばかりにリベンジに燃えるロブロイフェイマス。今日の結果はとりあえず忘れて?襲い掛かるユニヴァースリンカーンザッツ・・・宝塚記念も一筋縄では決まりそうもないですね、一転、混沌としてきた古馬チャンピオンロード、さらにタップダンスシチースティルインラブアドマイヤグルーヴも加わってくるわけですから、これは大変なことになってきました!

さて土曜は青葉賞、遂にハイアーゲームが素質の片鱗を見せてくれました!圧勝で一躍ダービー最有力にのし上がってきました!
1、2コーナー中間あたりでこちらも「うわっ」と声が出てしまうほどの大きな不利にさらされながら、まさに力づくでねじ伏せた姿にサラブレッドの成長力の凄さを見せ付けられた印象・・・コスモバルクに勝てなかった春でしたが、ここにきて[ダービーは簡単にはいかないぞ!」と北の地に高らかに宣戦布告です!

2着は経験とカーネギー譲りの素質がモノをいったか、岡部騎手のホオキパウエーブが経済コースからインをついて台頭・・・3着シェルゲームホオキパとの差は大きな大きなクビ差・・・ダービーの優先権が発生しない外国産馬、賞金で除外濃厚の厳しい立場に置かれてしまいました・・・ぜひ出てほしい素質馬なんですが・・・。

さあ来週のプリンシパルS、京都新聞杯、NHKマイルCでロード・トゥ・ダービーが完成を迎えます!いよいよ競馬界の頂点へ気持ちの高ぶりが押さえ切れない季節がやってきました!

コメント