東西でトニービンの遺児たちが高らかに咆哮を上げました。その末脚の炸裂振りはトニービン最高傑作と謳われたジャングルポケットのそれに比肩するかと思うような凄まじいもの・・・盾戦線は風雲急!若き大王キングカメハメハに容赦なく末脚の砲撃が繰り出されます!

まず毎日王冠のテレグノシス、最後方にスッと下げ、道中はローエングリンの作る早めのペースに身を委ねると、直線では火が点いたかのように激情的な末脚が炸裂、テレグノシスの良さが100%出たまさに勝ちパターン。惚れ惚れするほど鮮やかな切れ味に酔いました。
1800も大丈夫、もう1ハロン延長の盾を目指すか、右回りでもマイル王を目指すか、どちらにせよ前半死んだふりをして、獅子が猛るかのように直線を切り裂いてくるはずです。

ローエングリンはペース的にはいい感じでもやはり気が焦っているというか、肩に力を入れて走っている状態・・・懸命に走るサラブレッド、ローエンにはいじらしい現実ですが、不器用で真面目すぎる性格が本来の能力をスポイルする結果になってしまっています。落ち着いて走れば直線でさらに二の脚を使えるのに・・・1年間の重賞未勝利でボーダーライン上ですが、盾では落ち着いて走って全能力を発揮できれば・・・。

3着にブルーイレヴン、向う正面で首を振る仕草を見せたものの、一時より確実に折り合いは大成長、直線はテレグノに差され、ローエンに届かずでしたが3着堅守で実力は見せました。

4着はインからジリジリと抵抗したプリサイスマシーン。4番人気だったシェルゲームは2番手から進めましたが、6着、まだ発展途上の3歳、本格化すれば楽しみがありそうですが、現状ではこんなものでしょう。


京都は東京のテレグノシスに呼応するように、同じ血統背景のナリタセンチュリーが後方2番手から末脚爆発、天皇賞・春5着の健闘は伊達ではありませんでした。それにしても鮮やか、盾戦線に殴りこむトニービン産駒の5歳馬センチュリーが新世紀を告げます!

注目したいのは鞍上・田島裕和騎手、スギノハヤカゼでの活躍以来、目立った活躍はありませんでしたが、大逃げも打ったりと積極的な騎手というイメージ。久方ぶりにGIに挑む頼もしい相棒が現れて、職人魂を燃やしてくれそうです!

ゼンノロブロイ、絶対に負けられない戦いでしたが・・・落としてしまいました。インからじっくり構え、直線半ばで馬群を抜け出し、さすが岡部騎手!と唸った瞬間の事故のような敗北・・・昨年の神戸新聞杯のような空気の壁を突き破る、パワフルでスピーディーな競馬がなかなか甦ってきません・・・ローエン同様この1年、重賞に届かない現実。盾は是が非でも出たいのですが・・・悔恨のクビ差2着。

3着にこちらもテレグノセンチュリーと同じトニービン×ノーザンテースト牝馬の血統構成・レニングラード、勝ちに行く積極的な競馬が光りました。盾は賞金的に苦しそうですが・・・。

アドマイヤグルーヴは折り合いも上々、勝負所の手ごたえも抜群、しかし追い出して弾けるところがありませんでした。春の初戦となった大阪杯も同じような内容でプラス12キロを考えれば、本番への試走としては及第点・・・しかしエリザベス女王杯連覇だけで留まって欲しくない、牡馬相手でももっとやれるはず、と思うのは母の栄光を知る一ファンのエゴなのでしょうか・・・。
ダイタクバートラムは5着に終わりましたが、スタートのよさを生かし、思い切ってハナを奪った競馬はスローペース症候群に楔を打つ、小牧騎手の高等な戦略、評価したいです。


さて明日は土曜の東京が順延になったので、中央競馬も行なわれますが、注目はなんと言っても王者・アドマイヤドンがユタカ騎手とのコンビで挑むGI・南部杯!独裁時代は終わらないのか、三度盛岡が炎上するのか、仁義なき戦いは続きます!

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