最強の大王キングカメハメハの突然の屈腱炎、引退の報から10日・・・日本競馬の歴史に大いなる蹄跡を残すはずだったカメハメハの引退で、秋の盾戦線は加速力を増して混迷を極めてきました。それでも時代は待つことはなく、常に動いていきます・・・この府中の2000の舞台で新たな政権が創られようとしています。

今年は同厩の王者シンボリクリスエスのバトンをしっかり受け取り、満を持して頂点に君臨するはずだったゼンノロブロイでしたが、まさかのブレーキ、詰めの甘さを見せて未だ今年未勝利・・・いつも勝利が目の前にあっても、ワンパンチ足らず掴み取ることができません・・・。
その現状に業を煮やしたか?今年もフランスから盾制覇請負人、世界の名手・ペリエ騎手がやってきます。昨年クリスエスと見せたド派手なパフォーマンス、ロブロイの隠し持つ獣のような闘志を呼び起こすことができるのはやはりこの人しかいません!

こちらも今年の活躍が楽しみだったリンカーンですが、折り合いに難を見せたりとなかなかその能力が発揮されません・・・折り合いに不安のない2000mなら眠れる才能を再び呼び起こしそう、パートナーはアンカツ騎手でまさに鬼に金棒、ハードな末脚を府中の直線に叩き込みます!

昨年翼が生えたように伸びてきた脚、クリスエスには届きませんでしたが、凄い切れだった安田記念馬ツルマルボーイ、府中の長い直線はボーイにとっての大きな大きな味方で、間違いなく爆発的な脚が引き出されます。雨は嫌な材料ですが、雨が降っても安田のように走りやすい馬場なら末脚は微塵も鈍ることはありません、蛯名マジックに導かれ、120%の末脚を見せて欲しいですね。

ボーイと同じように府中の末脚なら譲れないテレグノシス、道中はじっくりと脚を溜めますし、2000の距離も問題はないはず、完全にテレグとの信頼関係を築き上げた勝浦騎手の手綱ならば毎日王冠のような爆発的な脚が使えるはずです。
バランスオブゲームも間隔を置いてこの舞台に進めたのは大きいですね。ボーイテレグが展開的に注文がつくのに対し前々からでも重厚な爆発力を秘めるバランス・・・田中勝騎手とともにもう善戦は要らない、欲しいのはGIの二文字だけです!

シルクフェイマスももはや疑いようのないGI級の力、父マーベラスサンデーから溢れんばかりの能力を受け継ぎました、距離に不安を感じないでいいこの距離、宝塚記念でで後塵を拝したタップダンスシチーも不在となれば自ずと頂点に立つのはフェイマスです。

中山記念で眠れる能力を存分に見せたサクラプレジデント、久々でも搭載するエンジンを考えれば、一気にまとめて上位馬をなぎ倒す可能性があるのはプレジデントを置いて他にありません、激情的な爆発の先には栄冠が待っています、雨に負けずパワフルな破壊力を見せて欲しい、松永幹騎手にも久々のGIの美酒を味わって欲しいです!

単独で取り上げた馬がここまで多くなってしまったのは、まさに如実に横一線、稀に見る大混戦を示唆しています。
秋華賞で失態を演じてしまったダンスインザムードも高い能力の裏づけがあるからこその挑戦、チャレンジャーとして挑めばいい結果が得られるかもしれません。
雨で俄然気合が入るトーセンダンディ、不気味な江田照騎手の手綱で府中の直線、白い顔を揺らせながら激しい抵抗をしてきそうです。
ユタカ騎手が最終的に今年の盾のパートナーに選んだアドマイヤグルーヴ、しかしどうしても牡馬が相手だと萎縮してしまいますが、能力自体は互角以上、回りを気にせず自分の競馬に集中してくれば・・・。
ローエングリンも馬場が渋って、いつもより力を入れずに走れば怖い存在です、自殺的ペースを刻んだ昨年の嫌な記憶を振り払い、ゴールに突き進んで欲しい!
ナリタセンチュリーも凄い末脚だった京都大賞典、府中でさらに磨きがかかるようなら怖いですね、勝負師・田島裕騎手も一世一代の大博打に出てきそう・・・。

最後にこの馬を単独で挙げさせてください、GI3勝の驚異のスーパーホース・ヒシミラクルが1年ぶりにターフに帰ってきます。典型的な叩き良化型で正直、幾度となく起こしたミラクルも今回はさすがに厳しい雲行きですが、ここで駆けてこそのミラクル、でもまずは怪我を乗り越え、この舞台を踏みしめてくれたことを嬉しく思います。

さあ、大混戦の秋の盾、天候ひとつ、展開ひとつ、騎手の判断ひとつで大きく結果が変わってきそうですが、秋の盾を奪い、君臨し、統治するものはただ一頭・・・名勝負の系譜に深く刻み込まれるような直線の攻防を期待したいと思います!


さて、明日はタマモクロスメモリアル、秋天にもマイソールサウンドを送り出しています、マイソールをはじめカネツクロスウインジェネラーレなど多くの重賞勝ち馬を輩出している・元祖・芦毛の怪物で、大器晩成の代名詞的な存在といえます、王者に君臨してからはオグリキャップと死闘を演じました、産駒にも強烈な末脚を伝えているタマモ、もう亡くなってしまったのは残念ですが、今も競馬界に燦然と輝く存在であることはいうまでもありません。

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