ゆったりした流れ、しかし縦長の隊列、逃げたメイショウバトラー、番手を掴んだオースミハルカ、幻惑ペースに落としいれ、行った行ったの完全犯罪が成立したような感覚を覚えました・・・しかしやはり、女王は甘くなかった、流れを強引に引き寄せるかのように馬場の真ん中を真っ二つに突き破って、空気の壁を壊すような破壊的な末脚が爆発・・・今年もアドマイヤグルーヴがエリザベス女王から賜る冠をその頭上に輝かせました!

今が最高潮、まさに完成期に至った誇り高き女王の競馬でした、スローペースにも慌てず騒がず、三冠牝馬スティルインラブを見ながらのレースは今年も同じ、ユタカ騎手とのレスピレイションを楽しむように道中を進んで、4コーナーではインをズバッと掬って、馬場のいい外目の緑のVロードを駆け抜けました。天皇賞・秋から強行軍の競馬になっただけに、今年はこれで休養に入りますが、堂々と女王の座を防衛したグルーヴ、さあ来年は母エアグルーヴへの挑戦、強豪牡馬を蹴散らして、日本競馬の頂点を再び目指します!

メイショウバトラーを捕らえ、完全に抜け出したオースミハルカ、鞍上の川島騎手としても完璧なシナリオを遂行しました・・・最後は決め手と貫禄の差で2着に敗れましたが、控える競馬をマスター、最後までよく粘りこんで3着以下の追撃を振り切り、2200も克服したこのフサイチコンコルド娘の着実な成長には驚くばかりです。

3着に後方から淀の直線に懸けてきたペリエ騎手のエルノヴァグルーヴには歯が立ちませんでしたが、この距離はやはり合う感じ、クイーンS1,2着が女王杯の2,3着ということになりました。4着エリモピクシーは自慢の末脚が生きました、直線は内に突っ込んで、馬群を縫うように伸びてきました。

秋華賞馬スイープトウショウは5着・・・返し馬の時点で馬場入りを嫌うなど、3歳女王らしい?我がままぶりを見せてしまいました、ゲート入りも前走同様てこずり、結果、いつもより大きな出遅れを喫してしまいました・・・スローで縦長という展開も合わなかった印象・・・それでも最後は懸命に末脚を繰り出していましたが・・・爆発か不発かの危うい面もスイープの魅力と言ってしまえばそれまでなんですが・・・来年以降、この気性が解消してドッシリしてくれば言うことはないのですが・・・。

三冠牝馬、失墜の9着・・・道中はアドマイヤグルーヴの前で4コーナー、グルーヴとは対照的に果敢に外に持ち出した幸騎手の戦法も、抜群の手ごたえがあった上でスティルインラブの能力を信じたからこそ・・・しかし直線、昨年のように弾けるスティルは戻ってきませんでした、大崩れは考えられなかった牝馬同士の一戦で大敗・・本質的に早稲なのか、とは思いたくないのですが・・・。


さて、福島はこれぞハンデ戦の大接戦、制したのはデビュー2年目の長谷川浩大騎手のセフティーエンペラでした、3番手からここしかないタイミングで抜け出し、波のように襲い掛かる後続の末脚を退ける内容、父はなじみのないソビエトスター、辛抱強くレースを使ってきた努力が結実した勝利といえそうです。

2着になんとここで駆けたノースフライトの息子ミスキャスト、差し脚を存分に生かして、差しきったかと見まごう勢いでした。3着は最低人気のラヴァリージェニオが突っ込んできました。

コイントスはスタートで岡部騎手が落ちそうになるアクシデント、それでも、7着まで追い上げているだけでも充分でしょうか・・・次が勝負です。
1番人気のカナハラドラゴンは切れを荒れ馬場で殺がれたか、13着と大敗でした。


土曜の京王杯2歳Sは勝浦騎手のスキップジャックがインをついて急襲、主戦を務めてきたテレグノシスの乗り替りを命じられた勝浦騎手、しかし師の思いを汲んで、悔しさをバネに早くも結果を出してきました。
メジロブライトメジロドーベル以降でクラシックで活躍する大物が続かなかったメジロライアン産駒ですが、この勝ちっぷりなら・・・と期待が持てる内容です。

2着はペリエ騎手のキングストレイル、またも勝ちきれない面を見せてしまいましたが、しぶとく伸びて能力の高さは証明、シンコウラブリイの近親でもあるのでマイルで見直してみたいですね。
3着はスタミナを生かし、一杯に粘りこんだセイウンニムカウでした。

連勝ストップとなってしまったマイネルレコルトですが、何といってもスタートが悪く、ダッシュも今ひとつ・・・最後までエンジンかかかりませんでした、5着、力負けではないのですが、2歳チャンプの座に暗雲でしょうか・・・。


最後に京都の土曜メイン・清水Sを勝ったハットトリック。マイル界の超新星になってきそうなレベルの高い末脚を持っています、今回は差す競馬も完璧にこなして完勝、名前を覚えておきたいサンデーサイレンス産駒の3歳馬です。

コメント