仁川の直線には目を疑うような光景が待っていました・・・最強の王道を行くタップダンスシチーが早々と力尽き、無冠の帝王リンカーンが抜け出したのもつかの間、動きの鈍い最強馬ロブロイの外から素晴らしい斬れで突き抜けたのはなんと秋華賞馬スイープトウショウ!強豪牡馬をまさに文字通り一掃!それは39年ぶり、牝馬による宝塚記念制覇が達成された瞬間でした。

いつもは出遅れるスイープですが直前まで着けていたブリンカーの効果も絶大だったのでしょう、落ち着いてゲートを迎えられたことによって抜群のスタートを切り、そしていつもより前で積極的な競馬ができました。直線は前をロックオンして、あとは彼女の末脚を叩き込むだけの文句なしの競馬で完勝!まさに完成期を迎え、女帝時代の幕開けを告げました!

2着は無欲の追い込みが光ったハーツクライ、昨年秋の低迷を払拭する快走はさすがダービー2着馬です。スイープが中団で競馬することで栄光を掴んだように、差す競馬に移行できれば、戴冠も夢ではないと思います。

オーナーの弔いを胸に臨んだゼンノロブロイでしたが、4コーナーで前が詰まる不利もあり、また半年振りの実戦での影響もあったか、末脚は炸裂せず3着・・・それでも内容的には悪くないですし、英インターナショナルS遠征は是非実現させて欲しいと思います。ニューマーケットでロブロイの波動砲のような脚が炸裂するのを楽しみにしています!

4着にリンカーン、抜け出したときは「やられた!」と思いましたが・・・5着はサンライズペガサスが適距離で巻き返しました。

タップダンスシチーは7着・・・ペース的にも仕掛けも、まさにタップの競馬、直線さあ、突き放す!というところでリンカーンに撃墜されてしまいました・・・向う正面で一気にポジションを上げたときに脚を使ってしまったのか・・・佐藤哲三騎手と織り成す果敢な競馬で、全能力を発揮するこのスタイルがタップの強さの証明だっただけにこの敗戦はショックです・・・。

コスモバルクは12着、掛かってしまって逃げる形でタップに早めに来られ万事休す、ラップ的にはそう速くはなかったのですが、このレベルでは力で押し切ることは難しいのかもしれません・・・でも昨年のJCでの抜群の折り合いと直線の怪物的な差仕返しをワタクシは忘れることができないのですが・・・。

華々しい女帝の誕生で幕を閉じたサマーグランプリ、この結果を受けて秋以降、古馬チャンピオンロードは更に混沌としてきました。そして英国遠征を視野に入れるロブロイ、凱旋門再挑戦を掲げるタップの動向も注目が集まることになりそうです。

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